難病とともに生きる

僕がハサミを置いて1年半

以前は”生涯美容師”ということにこだわっていました。

そのお客さんの生涯最後の美容師になろう。

そう思って仕事してました。

僕を指名していただいていたお客様は、
今でもお店にご来店くださり、
「店長さん元気?」と労ってくださいます。

生涯美容師にはなれなくなってしまった

でも、美容師やっていてよかった。
僕は本当に幸せだ。

今ならそう思えます。

6年前、僕は脊髄小脳変性症という
難病を発症しました。
でも、
その時はそれ程ショックではありませんでした。
仕事も普通にできたし、病名がつく前から
同じ病気の人が身近に居たからです。
僕に生き方を背中で見せてくれました。

しかし、同じ病気でも症状の出方は人それぞれ、
ちょうど一年半前に手の振戦の症状が急に現れ、
ハサミを持つことができなくなってしまいました。
ちょうど美容師として新たな境地に挑もうと、
新しいカット技術(小顔補正立体カット)
をマスターした矢先でした。

治らない病気とともに生きる
生産的でない毎日
せっかく新しいカットに出会えたのに
美容師をできない自分は
もう前のように人の役に立てない
自分の価値がなくなった
もう何を願っても何も叶わない
誰にも会いたくない

人生で、一番落ち込みました。

どん底のなか、以前からもう少し経営者としての時間を作ろうと考えていたので経営の勉強を始めました。

自分のやってきた美容とは何だろう?
仕事の本質とは?
美容室の在り方とは?
ここで働く美容師の使命とは?
大切にしたいビジョンや価値観
色んなことを見つめなおしました。

そして今年に入り、フューチャーマッピングという
セッションを受けました。

その名の通り未来予想図を描きます。
受けてみて気づいたんですが、描かれたマップの中には、自分の潜在意識が顕在化していたのです。

それがきっかけでハッキリ気づけたことがみっつあります。

ひとつめは
美容師でよかったということ
今までの人生すべての経験のおかげで
たくさんのお客様に出会えたこと
家族とも思えるスタッフに恵まれたこと
妻に出会え、子供に恵まれ家庭を持てたこと
大切なものは全部
僕が美容師をしてたからこそ
特別に与えられたのです

ふたつめは                                                                      “当たり前のことは、実は当たり前じゃない” ということ      

僕の病気は治りません 。

休み前まで出来ていたのに2日後にはカットができなくなるなんて想像もしてませんでした

みっつめは
自分にもきっと何かできる!ということ
”しっかりしなきゃ”じゃなくていいんだと気づきました。この焦りの気持ちの中で僕は”真剣”よりも”深刻”だったと思います。
僕にできないことがいくらあったとしても、それを代わりにいとも簡単に出来てしまう仲間がいるのだから。きっと大丈夫。

肩の荷がスーッと降りた気がします。
そして、難病指定の体験をした僕だからこそ何か出来る!と自分を信じられるようになりました。

お客様には何の説明もせず突然引退してしまい、
この1年半
ご心配までおかけして申し訳ありませんでした。

僕は元気です!

去年の4月、妻が去年僕が取得したカット技術のマスタークラスに合格しました。
※この小顔補正立体カットについてはお伝えしたいことが多すぎてまとまらないので、またあらためて

いま僕は、お客様に僕がしたかったことを、
妻が必ず叶えてくれると信じています。
心配と苦労ばかりかけたこの一年半のなかで、
妻は不安でいっぱいだったはずなのに
新しい技術の練習に打ち込み、
スタッフの育成に現場の責任者としても、
僕の夢に飛び込んでくれました。
心から感謝しています。

今後、公私ともに新しい事に挑戦します。
先ずは、5月に小顔補正立体カットの最高峰
講師認定コースに妻とともに挑戦します。

(一度は落ちましたが、2018年7月に合格しました!)

ハサミ持てないどころか字も書けないやつが
講師認定コース受講なんて前代未聞でしょうが😅
(受講を許可していただいた協会本部の方々の
粋な計らいに感謝します)

今の自分だからこそ誰かのために何か出来る。
きっとできる。

少しワクワクしています。

美容師として皆様と関わることは出来なくなってしまいましたが、そのかわり裏方として家族やスタッフを輝かせ、お客様に幸せを届けます。
スペシャルな難病美容師、経営者として、前を向いてすすみます。

どうか今後とも宜しくお願い致します。
最後までお読みいただきありがとうございました。

難病美容師 たぐっちょ